実家のある壱岐島には、「春一番の塔」というモニュメントがあります。春先に吹く強い南風のことを「春一番」といい気象用語にもなっていますが、実はこの言葉の発祥の地は壱岐島。島の漁師たちは、春先にひとしきり吹くこの風を「春一番の風」といって警戒しているのでした。
この彫刻は、壱岐市生まれの彫刻家・種田和夫(1934~2011)の作品です。作者である種田さんの彫刻のテーマは、“宇宙”でした。この彫刻は、正午の太陽の方向を向いていて、日時計のように影が根本の球体に落ちる仕組みになっています。
ぼくは高校生当時、そんな種田さんが館長を務める美術館へ通っては、自分の絵を直々に評価してもらっていた思い出があるのでした。