小学生の頃、僕は雑誌や本が嫌いで、図鑑ばかり読みあさる子供だった。学校ではいつも生物係で、川や海の水辺で生き物たちを採取しては、学校や家の水槽で飼育していた。
ある時、社会の授業で“ダム”の名前を沢山覚えないといけなかった。テストに出るらしい。
その時ぼくは、“多くの生き物たちが生きて行けない”と思った。理科では、食物連鎖やエネルギーの循環について習ったからだ。子供ながらに、これでは人間も困ると察した。
そうして、ダムの名前は覚えずじまいで、理科のテストばかり満点に。
人の関心や得意分野というは、それぞれがリアリティを抱ける分野ということなのかもしれない。