マルチメディア・アートパフォーマンスグループ「Dumb Type」が、前作から実に18年ぶりとなる新作を発表する。「Dumb Type 2020」と題された本作品は、2020年3月28日(土)~ 3月29日(日)の2日間にわたり、ロームシアター京都で上演される。

「Dumb Type」は、1984年当時に京都市立芸術大学の学生だった古橋悌二や高谷史郎を中心とし結成されたルチメディア・パフォーマンス・アーティスト集団。プロジェクト毎に参加メンバーが変化する、ゆるやかな共同体として活動している。

センチメンタル

1995年、大沢はメディアアーティストを目指すとして大阪芸術大学に入学したわけだが、当時の大学の映像学科は映画監督らの指導による映画にまつわるものが主だった。

そんな中で彼らの作品を映像で見たとき、とにかくシビレた。(当時すでにDumb Typeの中心メンバーの一人である古橋悌二が死去していたため、解散した過去の集団だと認識していた。)当時大沢は、実験映像の制作にハマっていた事もあり、彼らのインスタレーションの表現に大いに嫉妬したものだった。

当時、道頓堀のひっかけ橋よこにはソニータワーがあり、かなり感度の高い文化の発信が行われていた。村上隆さんのDOBくんが展示されて衝撃を受けた場所でもある。そこで開催された実験映像の上映会などに参加したことを思い出す。だがそれも随分昔の話。今はもう、そのビルすらなくなってしまっている。

LEDモニターやプロジェクションマッピング技術も無い時代。薄型テレビがやっと出た頃。プロジェクターは数百万円していた。複数の映像を繋げる機材を自作するなど、やりたいことをどうやって実現するか悩むばかりだった。それほど昔の話。気づけばメディア・アートはもはや、センチメンタルな存在。

ダムタイプ|アクション+リフレクション

近年ダムタイプは、2018年にフランスのポンピドゥー・センター・メッス分館で個展を開催している。2020年、先日まで日本の東京現代美術館にて「ダムタイプ|アクション+リフレクション」として、当時の装置の再現を含めた展覧会も行われ、盛況を博したところ。

ダムタイプはきっと、時代を超え形態を変え、永遠に続く存在を目指した。ヒエラルキーを取り払った集団の意味は確かにここにある。

Dumb Type 2020

Dumb Type結成から35年。18年ぶりの新作発表。そんなこんなで大好きな「ダムタイプ」が実は存続していて、新作が京都で上演されるとなると反応してしまう大沢である。